観光タクシードライバーの小噺 お酒4
◆酒の肴
酒の肴という時の「さかな」は「酒菜」であって、「飯菜」即ち、おばんざいに対応する。上方風と江戸風の料理の味付けが違うのは、一説に酒のせいではといわれている。江戸では上方の酒を口にするには、2週間以上かかった。その間、樽に入っている酒は木香が強くなってしまう。その酒を飲むために、江戸風の料理の味付けがこってりとしているといわれている。上方は木香の強くない新しい酒を口にすることが出来たせいで、料理が淡泊だといわれている。現在でも樽酒は予約しかなく、詰められてから、一週間以内に飲まなければ味が変わる。
◆爵位は酒の器から
爵とは中国の王室で宗廟を祀る時に酒を入れた器であり、その折りに功臣にこの酒を与えたが、のち器(爵)ごと与えたことが、爵位の起こりである。
◆徳利・銚子の混同
「とっくり」は室町中期からこの名が見られ、備前焼で作られたものが多く、備前焼は安価で堅固であるところから、徳利であるという意味で名付けられたといわれている。また、銚子は酒を杯に注ぐための長い柄がついた器で、室町後期に現れた徳利が、酒器として常用されるようになると、正式の酒宴(婚礼や儀式)のみ使用されるようになった。徳利を「ちょうし」と呼ぶのは、かつて、銚子が酒器の代名詞となるほど普及していたためである。
◆今日の酒造メーカーの酒
先年まで酒造米は政府の統制下にあり、酒造権利(株)で決められた以上の酒の自醸できなかった。灘、伏見に限らず、大手と呼ばれる酒造業者は、自ら造る酒では間に合わず、地方の酒を桶買いして、また、醸造アルコールなどと、ブレンドして品質の安定をはかり、計画的に行っているのが現状で、灘物とか、伏見の酒だとか、いい切れない面がある。灘、伏見の酒の違いは、特別な高級酒のみ、その特徴を残していくことになり、我々が飲む酒では、ほとんど変わらない。
