観光タクシードライバーの小噺 漬物2
◆しば漬はおはぐろによい?
京都特産の塩でつけた漬物。洛北・大原の自家用の漬物であったが、御歯黒によいとされて一般に普及した。壇ノ浦で平家一門が滅亡した後、清盛の娘、高倉天皇の中宮、建礼門院が寂光院で仏門に帰依し、悲しみの余生をおくっていたところ、それを慰めようとして近所の人達が、自家製の漬物を献上したところ、建礼門院はこれを大変気に入って、「紫葉漬け」と名付けたと言われている。
◆すぐき漬は乳酸発酵!
京都の漬物の中でもっとも古いものといわれており、すぐき菜と塩だけで漬け、乳酸発酵によって独特の酸味とあまさを感じさせる上賀茂特産の漬物。1月~3月までの農閑期に、農家が自家用に作る保存食。または、上賀茂神社の社家に代々伝えられてきた漬物ともいう。明治26年の深泥池の大火以来、村の再建にと地域外に売り出されたのが始まり。すぐき漬の特徴は、テコを利用したテンビンで圧力をかけ、そのあとに『むろ(室)』を使うこと。『むろ』は三畳ぐらいの広さの室で、火や電気で室温を40℃に保ち、蒸らして乳酸発酵をうながすことにある。『むろ』が開発されたのは大正初期、それまでは冬から春への気温の上昇による自然発酵によったが、自然では商いに間に合わなくなった。
◆沢庵和尚が『たくあん』を!
大根は他の野菜と違い細長く堅いので、生のままでは漬けにくく、まず干さなければならない。干すことによって堅い大根が柔軟になり丸い容器である甕に漬けやすくなる。最初は糠を使わないたんなる塩漬けとして「大根漬け」といっていた。大根の糠漬けを「たくあん」というのは、江戸時代、白米食が普及し、米糠が出回ったので、大徳寺住持・沢庵和尚がこれに目をつけ、大根漬けを大根の糠漬けに改善したといわれている。沢庵和尚の墓石が漬物石に似ているのは、たくあん漬けが和尚によるところから、死後、その功績を讃えたことからと思われる。沢庵和尚は漬物に造詣が深かったようである。
