京都の観光はタクシーで 50%割引あり!    京都検定一級で京都の観光に詳しい中井タクシーが貸切のタクシーでご案内致します。

5 月 08 2008

観光タクシードライバーの小噺  漬物5


【漬物を科学する】
◆漬かる理由
野菜は多数の細胞から成り立っている。細胞は半透明の膜で、その中は細胞液で満たされている。その細胞液の濃度より「浸透圧」の高い塩漬けのなかに野菜を入れると、野菜の水分が外部の漬液中に浸出して脱水される。野菜は塩漬けによって細胞が死滅し、風味の根源になる細胞内の栄養分が保存され、また、野菜の組織も柔軟になって歯切れがよくなり、食べやすくなる。これが「漬かり」である。
◆微生物のよる発酵
漬物には微生物の発酵作用によって、風味を醸成するものが多い。野菜を薄塩で漬けると数日後には乳酸菌や、酵母類が繁殖して発酵を始める。野菜を塩漬けすることによって細胞が死滅し、細胞内の成分が漬液中に浸出し、これが発酵菌の栄養源となり、漬物の風味が増す。
◆食塩、糖、アルコールの防腐力
食塩の防腐力は主に浸透圧によるもので、殺菌剤や防腐剤のような特殊な防腐力をもつものではない。したがって微量の添加では、防腐剤のような効果はない。保存的漬物の場合は食塩の添加を多くしなければならない。しかし、奈良漬け、福神漬けなどのように食塩を少なくしても、砂糖やアルコールなどの調味料を併用することによって保存性は高められる。糖の浸透圧は低いため、塩やアルコールに比べて極めて多量(約50%)に必要とする。羊羹、ジャムが甘いわけである。
◆塩と酸の共働き
漬物は、塩の保存性を利用したものと、酸の保存性を利用した物に大きく分けられる。塩、アルコール、糖は浸透圧であり、酢漬け類やすぐき、しば漬け、ピクルスなどは酸による。酸は防腐力は強いが多いと酸っぱくて食べられない。ちなみに、梅干しは塩分10%以上、酸を2%以上も含み、浸透圧と酸との両面から保存されるので、何年も腐敗しない優れものである。
◆漬物の今後
塩分の取り過ぎは高血圧、脳卒中、心臓病などの成人病の原因になることが明らかになり、食品の低塩化が大きな課題となっている。漬物は塩で生まれ、塩で育てられてきた。健康によいビタミン等も豊富な漬物は、調味料との併用や、過熱殺菌、冷蔵などの技術により、ますます低塩化の方向に進むものと思われる。


コメントを投稿する