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6月
13

観光タクシードライバーの小噺 書院造について

【書院造について】

 室町時代に確立した住宅様式で、主室に四種の座敷飾(ざしきかざり)『床・棚(違棚)・書院(付書院(つけしょいん))・帳台構(ちょうだいがまえ)』を構え、柱は角柱とし、床は畳を敷き詰め、建具は引違い建具が多い。ただし座敷飾は必ずしも四種そろうとは限らず、床だけの場合もある。床や天井の高さ、座敷飾など室内意匠によって座る人の身分差を示すことを意図としている。現代の住宅でいわゆる和風と呼ばれる意匠は、その基礎に書院造がある。つまり、書院造は現代まで脈々と流れている。

  • ◆座敷飾について 【床】壁に仏画などを懸け、花瓶などを載せる机をその前に置いたのが始まりで、移動させることができた。この机が固定されて床になる。床の間とは元来床のある部屋を指したようである。【違棚】棚も床と同様に最初は移動させることができたが、造り付けのものに変化した。高さの違う棚板を用いることが多いので違棚という。【付書院】机を造り付けにし、明るさを得るために室外に張り出したもので、建具が明障子なのも室外の明るさを取り入れるため。また、付書院では筆を執ることもある。【帳台構】寝室の入口が起源で、大切な物を収納するためにも使われたと思われる。このような寝室の入り口が装飾化され、室内を飾る装置のひとつとなる。
  • なぜ書院造というのか? 書院造の名称は四種の座敷飾のひとつ、付書院に因むものだが、なぜ、床や棚ではなく書院が様式を指す言葉として定着したかは、はっきりとはわからない。書院造でもっとも普及度の高く、代表的なのは床だが、床造という言葉はない。書院が意匠上もっとも印象的だったからなのかもしれない。
  • 数寄屋造(すきやづくり) 数寄屋造は書院造から生まれた。書院造は対面儀式にふさわしいが堅苦しい。日常の生活空間に適するよう、書院造を軽妙にアレンジしたのが数寄屋造である。柱は書院造では角柱を用いるが、数寄屋造では丸太の四面を切り落とし隅に丸みを残した面皮柱を好んで用いる。書院造では必ず打つ長押(なげし)も、数寄屋造では打たないか、代わりに丸太を半割にした材を打つ。襖や壁には、金碧障壁画(きんぺきしょうへきが)の代わりに水墨画を描くか、唐紙を貼る。細部意匠に凝ることも、数寄屋造の重要な要素である。引手金具や釘隠、欄間、障子、違棚などに自由な意匠を凝らす。数寄屋造は、日常の生活空間のほか、日常から離れた「遊び」のための空間として、上流階級の遊興の場として用いられた。
  • 寝殿造から書院造へ 寝殿造は平安貴族たちの邸宅の様式で、寝殿と呼ばれる建物を中心に建物を配し、池をもつ庭が南にある。平安末期に寝殿は南側すなわち表側が儀式などに使われる公的な空間、北側すなわち裏側が生活に使われる私的な空間、このふたつの空間に明確に分かれる。中世に入り、公家に代わって武士が台頭、その武家の住宅は、簡略化した寝殿造を受け継ぎ、来客を迎えたときの儀礼の空間を中心とする書院造が成立する。

 

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